漢方で生命活動のバランスを整える
むくみの原因が西洋医学的にははっきりわからない場合、漢方薬やお灸、鍼治療で症状が改善する場合があります。このような治療法は、単にむくみを取るというより、体質改善を目的としています。
むくみは「水毒」
水毒とは、東洋医学の考え方で、体内の水分の代謝障害(水の滞り、水滞、水気、宿水)が起こった状態を指す用語です。
むくみというと、体の水分の全体量が多すぎる場合に起こると思われがちですが、水分の巡りの悪さから起こるもので、まさに「水毒」なのです。
東洋医学では西洋医学のように臓器の一部だけを治すのではなく、体のバランスを整えて体質改善することを目指すので、漢方を用いたむくみ治療はまさに得意分野なのです。
重要なのは「気・血・水」のバランス
漢方の診察では最初、患者がどのようなタイプ(証)なのかを見極めます。この証を決める代表的なものさしが、「虚・実」と「気・血・水」です。
「虚・実」とは、体力や病気に対する抵抗力を示すもので、「虚証」は体力や抵抗力があまりない状態を、「実証」は体力や抵抗力が充実している状態をさします。また、その中間を「中間証」と呼びます。
「気・血・水」は病状の原因を考えるための因子で、「気」は生命エネルギーを、「血」は血液とその働きを、「水」は血液以外の水分代謝のことを指します。十分な量の「気・血・水」が滞らずに体の中を巡っている状態を健康な状態としています。
相談は専門家に
むくみ治療によく使われる漢方薬には防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)、柴苓湯(さいれいとう)などがありますが、漢方薬はその人の体質、体格、状態などによって合う薬が異なり、効果には個人差があります。中には副作用に十分な注意が必要な場合もありますので、安易に自己購入はせずに、専門機関に相談するのがよいでしょう。
また、医療機関で処方される漢方薬は原則として健康保険が適用されますので、その分安く手に入れることができます。
診察は待合室から始まる
漢方では、慢性的な不調をある程度の時間をもって治療していきます。(前もって内科や婦人科で疾患がないか検査を受けましょう)。
漢方の診察は「望診(見る)」、「問診(尋ねる)」、「聞診(音や匂いを聞く)」、「切診(触る)」の4つの診察「四診」で成り立っています。「四診」は患者さんが病院に入ってきたときからスタートしており、受付で話すトーンや待合室での過ごし方など、全てが「四診」の対象となります。
医師は五感を活用し患者さんの情報を集め、体力、体質、心身の状態などを総合的に診断し、その患者さんの「証」を決定します。その上で「気・血・水」のどこに問題があるのかを見極めます。
メイクや香水はNG!
診断を受ける時は、医師の五感を妨げるようなアイテムは避けましょう。顔色や爪の状態などもチェックしますので、メイク、マニキュアはNGです。また、体臭も大事な判断材料となりますので、香水も控えましょう。
舌の苔の状態も重要です。歯磨きの時に舌にブラシをかけたり、専用クリーナーでケアする人がいますが、診察の前はやめましょう。
「切診」では脈やお腹も診ますので、時計やブレスレットは事前に外しておき、脱ぎ着しやすい服装で来院しましょう。
「問診」では、不調に直接関係がないようなことまで聞かれることもあります。些細なことでも医師にとっては判断材料となりますので、ありのままを素直に伝えましょう。
もっと手軽にできないの?
そんな方には漢方を使ったお茶などいかがでしょうか。
漢方専門店の薬日本堂株式会社が販売するブレンド茶「気巡茶」
東洋の健康思想に基づく体の中からキレイを目指す13種類の茶葉・和漢食材がブレンドされており、 すっきりとしたウーロン茶ベースのお茶になっています。
リフレッシュしたい時に飲むようにすれば体質改善の手助けとなるでしょう。