むくみやすい生活の改善 ライフスタイル別 予防・解消法


立ち仕事や座り仕事

立ち仕事職業の画像足がむくみやすい職業は?と問われたら誰でも立ち仕事をまず思い浮かぶでしょう。美容師、看護師、ショップ店員にコックさんなど多くの人が足のむくみに悩んでいます。しかし、仕事以外でも長い時間経ち続けたり、座っていたりすると、程度の違いは様々ですが誰でも足がむくんでくるのです。

足の血液には重力がかかり、足の血液が心臓に戻りにくくなり沢山の血液が足にうっ滞してくるからです。特に足を動かさずにじっとしている職業のかたは、血液を心臓に戻す筋ポンプ作用が働かないため、足の血液は動かずにますます足に血液が溜まりむくみが強くなっていくのです。パソコンなどを使用し、長時間椅子に座っている人も立ち仕事をしている人ほどではないにしろ、足にむくみが起こります。

このため、長時間同じ姿勢で作業をする場合は、時々足を動かしたり、ふくらはぎをマッサージすることにより、うっ滞した足の血液を心臓に戻してあげるといいでしょう。また、足を圧迫する弾性のストッキングを履くと、足にうっ血がおこりにくくなり、むくみの予防にも効果的です。

 

運動不足

運動不足は2つの理由から足のむくみを起こします。ひとつは、筋ポンプ作用が十分に働かず、足の血液が心臓へと戻らなくなるために足のうっ血が起こるためです。ふたつめは、運動不足が筋肉自身を細くし、筋ポンプ作用の効率を著しく低下させることです。

同じ様に運動をしても、発達した筋肉の方がより効率的に血液を心臓へと戻すことが可能です。高齢者や女性、痩せた人では、筋肉の発達が弱く足がむくみやすくなるのです。

それだけに、普段より運動などで足の筋肉を強化しておくことで、足にうっ血が起こりにくくなり、むくみも少なくなっていきます。また、筋ポンプ作用に最も大切なふくらはぎの筋肉は普段の生活の中で歩くだけでも強化されます。普段からキビキビと筋肉の動きを意識した歩行をすることによりむくみの予防にも繋がります。

「人は足から老いる」と言われますが、積極的な歩行は体によい影響を多く与えてくれます。

 

ダイエット

ダイエット画像ダイエットは雑誌が最も売れるテーマの一つだそうです。ダイエットは挫折することが多いことから様々なプログラムが提唱されていますが、ダイエットは方法によっては必ずしも良いことばかりではありません。大きな落とし穴もあるんです。一概に「ダイエット=むくみ」とは言えないのですが、間違ったダイエットはむくみに繋がります。

むくみのメカニズムを考えると理解できると思います。ダイエットによって体脂肪が減るのみであればよいのですが、足の筋肉も減ってしまうと筋ポンプ作用の低下に直結します。足は第2の心臓と呼ばれる所以ですが、足の筋肉量の減少=筋ポンプ作用の低下は、足の静脈血を戻しにくくし、むくみへと繋がります。

また、極端なダイエットによる低栄養は、低たん白血症をきたし、膠質浸透圧(毛細血管が水分を血管の内外でやり取りする力)が低下するため、末梢に溜まる水分量を増やします。さらにビタミンB1の欠乏による脚気(かっけ)も全身性のむくみをきたします。

このように間違ったダイエットはむくみを一層重いものに変えてしまう可能性も秘めています。ダイエットをする場合は、筋力の低下と低栄養に注意し、健康的に行いましょう。

 

不規則な生活

不規則な生活画像 昨今では24時間サービスを提供しているメディアや店舗が多いため、ついつい不規則な生活になりがちです。夜更かしし、寝不足になる方も少なくはないでしょう。

このような生活は不規則な食生活に直結し、ファーストフードやコンビニで買ってきたものに頼り栄養の偏りで肥満や逆に痩せ過ぎになる危険が潜んでいます。運動不足も加われば、筋肉や肌のハリがなくなり、むくみ体質になってしまいます。また現代はストレスが多く、イライラが続く毎日かもしれません。運動不足、寝不足、栄養の偏り、ストレスはむくみの大きな原因となります。

規則正しい生活を心がけることで、自ずとむくみの予防にも繋がります。

 

下着

ブラジャー、ウエストニッパー、ガードル、ボディースーツなどの補正下着などなど、女性を美しく見せるための様々アイテムにもむくみの原因が潜んでいます。特に、ボディースーツはバストライン、ウエストライン、ヒップラインと全てを補正するので、その分締め付けも強くなります。胸、腹、股と体の中心部分を締め付けることにより、足のむくみを増長させてしまう大きな原因となります。むくみのない美しい体を求めるならば、適正サイズの下着をつけ、ボディースーツなどの補正下着を着けない方が本当はいいのです。

 

座り方

足を組む女性の画像足を組んで座る方は結構多いのではないでしょうか。足を組む時はずっと椅子に腰を掛けている状態ですからむくみやすい状況にあります。さらに片足のふくらはぎが浮いている上に、一方の足を圧迫して血行を妨げてしまうのでさらにむくみやすくなります。

また、足を組むことにより骨盤が左右どちらかに向くのに対し、顔は正面を向き、背筋も伸びず姿勢が悪くなってしまいます。このような姿勢を続ければ足はむくみやすくなり、他の部位の筋肉も疲れていくことになります。

足を組むのは習慣になっていることが多く、なかなかやめにくいのですが、まずは椅子に深く座ることにより、足を組みにくくし、姿勢をよくすることで改善を試みてみましょう。ただし、椅子の高さが重要で、深く座った状態で両足が床に着かないようですと、太ももの後ろ側が椅子の縁で圧迫されて逆効果となります。かならず両足が床に着く高さに調節してから実践しましょう。

 

塩分

 
体の水分の内2/3を占めるのが間質液と循環血液です。間質液(むくみ)の量は循環血液によって間接的に調節されていますが、その中で一番大きな働きをしているのがナトリウムです。つまり、ナトリウム自体を多く排泄したり、貯めておくことにより水分量を調節しているのです。

ナトリウム1mEq(ミリエクイバレント)の増減により7mlの水が増減します。即ち、塩分をたくさん摂取することにより水分過多になるということです。血管内の水分が増えると血圧が上がり、毛細血管から水分が染み出てきます。それがむくみとなるのです。

腎臓が正常であればナトリウムは徐々に排泄されますが、すぐに調節することができないので塩分をたくさん摂取した時には、喉が渇き体が水分を欲するようになります。しばらくするとホルモン系が作動し始め解消に向かいますが、作動までに1~2日掛かり、解消するまでを考慮するとは2~3日は掛かってしまいますので塩分は摂取しすぎないようにしましょう。

 

水分

水の画像体内の水分量は腎臓が正常であれば常に調整されます。しかし、水分を大量に摂取した場合、調節しきるまでに時間が掛かるため、むくみが生じます。

水を飲みすぎると体内の水分量が増えたことを感知し腎臓が働いて尿を排出するように指令を出しますが、完全には調節できず、その後はホルモン系の仕事になります。塩分の部分でも触れていますが、この仕事が終わるまで2~3日掛かるので、その間はしばらくむくんでいる状態になるのです。

むくみの予防は水分、塩分を控えめにし、腎臓の働きをよくするために体を冷やさないようにすることが大切です。

ここで注意しておきたい点があります。実際には水分が過剰にある状態でも、喉が渇き水を飲んでしまうことがあります。これは、体内の水分量を感知するのはあくまで血管内の水分量であるためです。血管外の水分(むくみ)は感知しません。

塩分は少な目に、そして腎臓が処理できる程度の水分摂取に抑えることが重要です。

 

アルコール

お酒の画像お酒を飲んだ後にむくんでしまうことは多くの人が経験していることだと思います。その仕組みは体内の水分量の増加と血管拡張による「血管透過性」の亢進が原因です。

アルコールをたくさん飲むと、排尿を抑える「抗利尿ホルモン」が抑制され尿がたくさん出ます。尿がたくさん出ると血管内の水分が少なくなったことを体が感知し、「脱水」と感じるのです。その為、水やお酒を次々の飲んでしまい体内の水分量が増え、その結果むくんでしまうのです。

もうひとつは、毛細血管の動脈側の「血管透過性」の問題です。「血管透過性」とは、血管壁が水分などの物質を通しやすくする性質のことです。動脈の血管壁には小さな隙間があり、そこから水分が出ています。ここでアルコールによって血管が膨張すると、同時に隙間が大きく開き水がどんどん出てきます。血管が膨張すると皮膚が赤く見えてくるので、飲酒で赤くなっている人は体内で水がどんどん出ている状態であることを意味します。

飲酒はこの2つの現象を悪循環のように繰り返してしまうので、むくまないようにする為に、アルコールの摂取は程々にしておくことがよいでしょう。