足首の静脈には、心臓から血液の重さ約80mmHg(120cmH2O)の圧が掛かります。その圧のせいで足では血管が外側にむくもうとします。圧が10mmHg昇すると、静脈内の血液量は6倍にも増加し、立っていると足の静脈には大量の血液が溜まりこむことになります。その為、心臓に還流する血液量も少なくなるので、今度は心臓が全員に送り出す血液量も少なくなり体調に異変をきたします。最も血液量の不足に敏感なのは脳なので、眩暈や立ちくらみ等が起きることもあります。
ところがこの時に、10歩程歩くと足首の静脈内の圧が15mmHgまで低下し静脈は一気に楽になります。
こうして考えると筋肉が発達したアスリートは筋ポンプ作用が強い為、むくみにくいと言えます。また、練習で体を動かしているので、筋ポンプを普通の人よりも長時間使っていることもむくみにくくしているポイントになります。また肌のハリもあるので皮下組織圧が高く、この事もむくみにくく作用していると考えられます。一方、筋量の少ない人、つまり痩せている人はむくみやすくなります。男性に比べ筋量が少ない女性がむくみで悩むことが多い一因はここにあります。もちろん運動をあまりしない人も筋量が少ないのでむくみやすい体質と言えるでしょう。
筋力の弱い方はまずはウォーキングからでも初めてみてはいかがでしょうか?