間欠的空気圧迫法って効果あるの?

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腕や足の浮腫に対して、手足の先端から付け根に向かって空気の圧力を使って順番にマッサージしていく「間欠式空気圧迫法」という治療法があります。

日本中で使用されており、リンパ浮腫対して多く使われる治療法です。中には「リンパ浮腫にはこれしか治療法がない」というお医者さんもいるくらいです。

しかし、「マッサージ器にかかるために通院しているが効果が見られない」、「毎日3~4回かけているが症状が改善しない」という方も少なからずおられるようです。そのような方の殆どは、マッサージ器を紹介した医師や機器を販売・レンタルする業者から使用法や注意点を十分に説明されておらず、自己流で使用しています。

このマッサージ機は使用後に弾性着衣を用いることが重要なのですが、そのような説明を受けていない為、自己流の間違った治療法を行ってしまうのです。器械をかけた後は水分が移動して浮腫が軽くなり、楽になります。ただし、リンパ管の弁の逆流がある場合には治療後に弾性包帯や弾性着衣による圧迫療法を十分に行わないと、患肢の水分が排除されても、すぐに重力によって元に戻ってしまいます。

家事や仕事が忙しい人や、足先まで手が届かない人などにとって、上手に利用すれば「リンパドレナージの補助的治療」になると考えられます。治療の際には以下の点を注意し、正しい使用法を心掛けましょう。 

 

  1. 器械の使用前後に正常なリンパ節付近と胸腹部のリンパドレナージを行い、鼠蹊部(太腿の付け根の部分)や腋窩部(脇の下)にリンパを溜めて硬くならないようにしましょう。器械によるマッサージ終了後は弾性包帯や弾性着衣で十分な圧迫療法を行いましょう。
  2. 空気圧は少し皮膚に圧迫力がかかる程度で行いましょう。効果がみられないからといって圧力を掛けすぎないようにしましょう。過剰な圧力でリンパ管を傷つけてしまうと、浮腫が悪化してしまう場合もあります。
  3. 誤った使用法(自己流)でリンパ管を損傷し浮腫を発症する危険性もあります。むくみのない人が予防的観点で使用するのはやめましょう。