むくみの予防法と解消法


自分にあった方法を探してみよう

むくみの予防はむくみやすい生活を改善することが大切ですが、気を付けていても足がむくんでしまうこともあります。そこで、むくみを翌日に持ち越さないように予防法・解消法を普段の生活積極的に取り入れていきましょう。

具体的な予防法・解消法としては、足の拳上、適切な運動、足のマッサージや弾性ストッキングの使用などがあります。じぶんのむくみの原因やライフスタイルに合わせて、上手に組み合わせて活用するとよいでしょう。大切なのは自分に合った方法を作り上げていくことです。

 

 机に足を乗せる

行儀は悪いですが、お勧めなのがこの方法です。足にむくみが起きやすい原因は、足が心臓よりも下にあり、足の血液に重力が掛かり、足にうっ血が起こりやすいからです。椅子に座っている時も立っている程ではありませんが重力が足の血液に掛かりむくみやすくなります。この重力の影響をできるだけ少なくすることで、むくみを予防・解消させるのです。

美容師などの立ち仕事をしている人、長時間デスクに向かい仕事をしている人は、可能であれば1時間に1回くらい仰向けで足を高くして休むといいでしょう。横になることができなければ、デスクの上に足を乗せて休むのも手です。それも難しい場合は、もう1つの椅子やオットマンにクッションを置き水平より少し高くして足を置くだけでも効果はあります。

 

空中自転車こぎ

空中自転車こぎの画像仰向けになり、足を上げて空中で自転車をこぐように足をぐるぐる回します(1分毎に10回を10分繰り返す)。

この方法は10分間足を拳上するだけよりも、より効果的にむくみを取ることが可能です。翌朝にむくみを残さないように寝る前の軽い運動として取り組むのがよいでしょう。

よく美脚効果を謳って空中自転車こぎを推奨する方がいますが、むくみの解消により足がスッキリ細くなることが発端だと思われます。腰を上げて腕で支えてやる方法などが紹介されていますが、むくみを取るだけなら腰を高く上げる必要はありません。無理な姿勢をとることで腰や筋肉を傷めてしまうことにも繋がるので、右の写真のように腰を上げずに行いましょう。

 

ウォーキング

ウォーキング画像

ウォーキングはむくみの解消にはあまり効果がありません。では何にいいのか?ウォーキングはできてしまったむくみを解消されるというよりも、むくみを起こさせない予防効果の方が高いのです。

運動の強さによってむくみの予防効果は違います。軽い運動、強い運動、その中間の運動の3種類を行うと、強い運動の時が一番血液の流れが速くなります。つまり、足の静脈血を心臓に戻すにはだらだらと歩くよりもキビキビと歩くことが大切ということになります。 

 

ふくらはぎマッサージ

ふくらはぎマッサージイメージ足首から膝に掛けてふくらはぎの筋肉をしっかりと揉み上げると、足の静脈血の流れが促進されるので血液の流れは速くなります。これにより足のむくみの予防に繋がるのです。

またマッサージをすることにより、疲労の回復、筋肉の疲れをとる、筋肉のこりをほぐす、神経痛・筋肉痛の痛みを和らげるなど効果も期待できるので翌朝スッキリとして足で目覚めることができます。

 

 

 

入浴後に適度なマッサージを

アロマオイルイメージマッサージは、基本的には足の指の方から心臓方向へ向かって行います。入浴や足浴で体が温まって血管が拡張した状態で行うとより効果が高まります。ただし、マッサージをする際に皮膚に摩擦が強く生じると、皮膚がダメージを受けてしまいますので、マッサージをする時には手や指が皮膚を滑りやすくするなるようにクリームやオイルを利用しましょう。

 

 

 

リンパマッサージ(リンパドレナージ)

むくみ対策として様々なメディアでリンパマッサージ(リンパドレナージ)がフィーチャーされていますが、むくみの原因の多くは静脈のうっ滞が原因なのに、なぜ血管外の水分を排出させるリンパマッサージがここまで注目されるのでしょうか?

体液循環におけるリンパ系の役割は意外と少なく、体液量に関して言えば心臓から動脈を通り末梢神経に到達した体液は、体組織を潤した後、静脈に90%、リンパ系には10%しか還流されません。一方でむくみとは一旦血管外に出た間質液が血管外の組織間隙に過剰に溜まったものですから、その大部分を静脈が排除しリンパ系は残りの僅かしか排除しないことになります。むくみを取ることに重点を置く場合は静脈の流れをよくした方が効率的になるはずです。

このように、リンパ系の働きの本質は、「体組織の環境を一定の良状態に常時保つ裏方のような働きをする」ことなのです。この一環としてリンパマッサージ(ドレナージ)がむくみを取る方法として注目を浴びることになったのですが、リンパマッサージは皮下に溜まった脂肪も取り除くことも期待できます。しかし、あくまでも静脈のサポート役なので、効果に過度な期待は禁物です。

なにより大切なのは皮下に脂肪を増やさない効果的な方法は、溜まった脂肪を取ることではなく、溜めないことです。太ってからエステに行くようなものなので、普段の生活から気を配りよく体を動かすことで対策を取りましょう。

※ 一般的なむくみに対する見解です。リンパ浮腫の治療の場合には地道なリンパマッサージが症状の軽減に重要になります。

 

十分な休息

十分な休息イメージ

日中足に溜まった余分な水分は、睡眠時に横になると移動し始めます。横になることで循環血液量が増え、腎臓への血流量も増加し、それにより余分な水分が尿として蓄積されます。ですので、むくみを解消するには十分な休息が必要なことが分かります。病的なむくみの場合も安静は治療の基本となります。

 

 

 

水分・塩分を控える

 水分・塩分を控えるイメージ間違ったダイエットによる栄養失調や筋量の減少がむくみに繋がることは、「むくみやすい生活を変えよう」でも解説しましたが、近年、過去の病気と考えられていた脚気(かっけ)が再び見られるようになってきています。インスタント食品の偏食や、清涼飲料水の多飲によるビタミンB1の欠乏により起きていると思われますが、この病気は全身にむくみを起こします。

むくみ(間質液)の主成分である水分、ナトリウムを溜めないように食生活では水分、塩分の過剰摂取を避けることが基本となります。健康な人は1日の水分の出入りがプラスマイナス0になるように体内で様々な機能が働いていますが、心臓、腎臓、肝臓など内臓の機能が低下している人は平衡状態保つことは難しくなっているので注意が必要です。また、高齢者は潜在的な機能低下状態にある上、複数の病気に重複して患っていることも多いので特に気をつけましょう。

塩分の多い食事は喉が渇く為、水分の過剰摂取に繋がります。薬剤性のむくみが塩分を摂取しすぎている人に多くでることも知られています。しかし、過度な水分制限は脱水をきたし体調を崩す原因となってしまうので高齢者は特に注意が必要です。

 

弾性(着圧)ストッキングの着用

弾性(着圧)ストッキングとは圧力のあるストッキングで、足を圧迫しむくみを予防するものです。弾性(着圧)ストッキングは初力により筋ポンプ作用を強くしたり、むくみの原因となる血管からの血液の染み出しを軽減させる効果があります。

弾性(着圧)ストッキングには様々な圧力や形状があり、どれを使ったらよいか迷ってしまう方が非常に多いのですが、むくみの予防という観点から選択すると膝下までのハイソックスタイプがよいでしょう。もちろんパンティストッキングタイプを使用しても同じようにむくみ予防に効果はあるのですが、むくみ予防で肝心なのはふくらはぎの圧迫ですので、ハイソックスタイプでも十分効果が見込めるということです。

そして足首より先の部分まで覆われている弾性(着圧)ストッキングがよいでしょう。レギンスのように足首までしかないものは、圧迫力が強すぎるとかえって足首より先がむくんでしまう危険があります。むくみ予防に使う弾性(着圧)ストッキングの圧力は、一般に15mmHg(20hpa)前後とし、むくみの軽い人では少し低めの10mmHg(13hpa)前後の圧力の物を使用したらよいでしょう。立ち仕事によるひどいむくみに悩んでいる人は20~25mmHg(27~33hpa)が適当です。

弾性(着圧)ストッキングはむくみ予防にとても効果的ですが、むくんでしまってから使っても効果を十分に発揮できません。弾性(着圧)ストッキングはむくむ前、できたら朝の仕事前に履くとようにしましょう。もし、むくんでしまってから着用する場合は、着用前の10分程足を上げてむくみを取ってから履くとよいでしょう。

弾性(着圧)ストッキング着用時の注意

弾性(着圧)ストッキングはむくみ予防にとても有効ですが、正しい着用をしないとトラブルの原因になることもあります。

弾性(着圧)ストッキングは強い圧迫力のため、シワや丸まりは皮膚へ食い込んでしまい、皮膚や神経、血管を痛めることに繋がります。着用時に足に痛みやしびれ、痒みなどを感じたら着用方法に問題があるか、その弾性(着圧)ストッキングはあなたに合っていない物かもしれません。よく注意して使用、合わないようであれば使用をやめましょう。

また、血行障害があると診断されている人や、心不全を患っている人、足に炎症がある人は医師に相談してから使用してください。

 

 寝る時には足を高く

軽いむくみであれば、通常は一番寝れば解消されますが、中には完全には解消されない人もいるでしょう。また、足がむくみやだるさで、横になっても寝つきが悪いかもしれません。

就寝中にむくみをしっかり解消させるには、重力を利用してむくみを軽減するのが有効です。やり方は簡単です。足元に座布団やまくらを入れて足を15cmくらい高く上げて寝るだけです。(足を心臓の位置より高くし、重力を利用して血液・リンパ液が心臓に戻りやすくしてあげます。)この場合、踵の下だけでなく、膝の下くらいまで座布団などを入れて下腿全体が高くなるように工夫をするとより効果が上がります。